俵万智 『未来のサイズ』を読んだ

このゴールデンウイークに読み切ろうと思っていた本の一冊目。本を選ぶにあたって、「私でも名前を知っているくらい有名な方」と「現代の作家」を探すことにしていた。そのうちの有名な方として俵万智さん。サラダ記念日はあまりにも下手なので興味がありそうなものはどれかと探していた時にこの本を見つけた。

わたしには短歌というものがわからないのでほぼ感のようなものだけど、同じ世代を生きているこの本の方が本と自分の接点がより多いのではないかと考えた。

本の内容は著者のそれぞれの年代ごとに詠まれた短歌が並べられている。どれもこれも日常に根ざしていて、ごくごく個人的な内容に思えてどこか「これのことかな?」とか「わかる気がする」とか思ってしまう自分を見つける本だった。

特にお子さんとその土地に根付いた物が多いように感じられた。お子さんの歌に気を引かれたのはきっと自分が子供を持つようになったからなのだと思う。子供の大きさは全然違うため、全く違う土地に住む今までなんの繋がりもなかった著者にわたし私の未来を重ねるような読み方も多かったように思う。

短歌とは何かというテーマがあって読んだけれど、あまりそれは答えが出た感じではなかった。ただ自由ではあるような気がした。技巧やルールは私の存じ上げないあれこれはあるかもしれないが、短歌は心にあまりに近いエッセイのようだと感じる読後感だった。

表題の未来のサイズの歌もよかった。あと子育てを最後と気づかない最後と詠んだ歌もよかった。記憶に残っていた歌は表紙に載ってたものに多く、あぁたしかにーというどうでも良いことを思ったりした。