『僕は君の「熱」に投資しよう』を読んだ

[佐俣 アンリ]の僕は君の「熱」に投資しよう――ベンチャーキャピタリストが挑発する7日間の特別講義

概要

stand.fmで あんりとーく を聞いていて視座が先にあるというか、自分が見えてないものがたくさん見えているんだろうなーと思いながら楽しみに聞いていました。この度本を出されたというのをお聞きして購入してみました。働いている界隈が界隈なのでtwitterのタイムラインがこの本の引用ですごく溢れかえっていたのに絆されました。

感想

本全体を7つの項目に分けて(1項目を1日として、一週間の講義という構成になっている)起業家と投資家という軸で仕事論が展開されていきます。著者の体験や経験を通して学んだ(掴み取った)成功論が熱い語り口で紡がれている本になっています。

twitterの感想で「ちょっと読むつもりが一気に読んでしまった、寝不足」的感想がたくさんあったのですが、あとで読むつもりで1章だけ読むつもりが私も例にもれずそのまま読み切ってしまいました。人柄がでている語りかける口調、わかり易い表現、起業家と投資家のドラマがそうさせるのかなと思いました。直接お話している姿を聞いたことはありませんが、きっと笑顔で煽り立ててときに火に巻きを焚べ、風を送り、必要があればガスをぶちこむ、そんなコミュニケーションスタイルが目に浮かぶような本でした。想像です。

日本の投資家や起業家を盛り上げたいという意図で出版されたとどこかでお話をされていたように記憶をしていますが、この本の面白いなと感じたところは著者の「投資家としての起業家へのアドバイスが普段の仕事に転用したら面白くなりそう」というところかなと思いました。これは私が根っから起業家の資質がないからそう感じるのかもしれません。

読後に特に印象に残ったのが

  • 自分の身を置く場所のお話
  • どんなことでも100倍にして考えるお話
  • 綾太郎さんのお話

でした。

自分の身を置く場所

実際に本を読んだほうがしっかり伝わると思いつつ。

私は約6年新卒から入った会社で勤めていたんですが、29歳のときに転職をして今の職場で働いています。どちらの会社が優れている劣っているということはもちろんないんですが、前職にいたときに伸ばされたスキル、今いる場所で伸びているスキルは全然違ったんじゃないかなと思うことがたくさんあります。

会社の環境や役割によって仕事のスピード感も達成しなければいけないものも変わってくるのを体感で感じています。

個人的には「その場所から逃げなければ」というのが大事なんですが、自分が求めている課題(成長したい領域)がある環境に身を置き続けることが嫌でも自分を引き上げてしまうということがあるかなと思っています。自分の能力と関係なくその場にいて食らいつくことで能力が勝手に上がってしまうというイメージです。

起業家のそれとは逼迫感がぜんぜん違うかもしれませんが読んでいて感じた部分でした。

どんなことでも100倍にして考えるお話

これも直近の自身の課題で考えてたことがありそれと重なった部分なんですが、どんなことでもX倍にして考えると今まで見えなかった課題や方法が見えてくるという思考法のお話で、例えば「今いるチームが2倍3倍になったら」と仮定して考えることで小さかった課題や見えてなかった課題が見えてくるというものです。

本のお話では実際に100倍にして運用することで誰もやっていない領域がでてくることや急激な負荷によって得られるノウハウについて語られていました。

ここも企業の中にいても転用たりうる思考法じゃないかなと感じました。

綾太郎さんのお話

切なかったですね。特有の関係性のお話で、胸が熱くなるお話でした。全然関係ないですけど、stand.fm 好きなの妙に納得してしまったお話でした。

最後に

雑多に感想を書いたのですが、著者の感情や思いの熱を感じながらも川下には合理的で冷静な源流みたいなところがあるお人柄を勝手に想像しながら読み進めた、そんな不思議な本でした。起業してる、したい人は必読でしょうし、もしかしたら最近仕事がつまらなくなってきたと感じる人も読んでみても面白いかもしれないですね。

最後のJust for funの部分は是非に読んでいただきたいところです。