『エンジニアリング組織論への招待』を読んだ

ずっと読みきりたかったこの本をやっと読了。そんな分量のある本じゃなかったので、なんでこんなに時間がかかったのか謎だ。

内容としてはプロジェクトの不確実性への対処から始まり、チームから組織へとその不確実性との向き合い方について書かれた本で読み応えがありました。

後半はちょっと消化しきれなかったところがあり、例のごとくまた引っ張り出してやっていきたいところです。

チームや組織の課題をエンジニアリングとしてのアプローチで強く対処していこうという気持ちがずっと強く流れていて良き本でした。

ハイライトのピックアップ

つまり、「曖昧さ」を減らし、「具体性・明確さ」を増やす行為が「エンジニアリングとは何か」という答えでもあるの

プロジェクト開始のあの曖昧性100%の状態を完成された曖昧性0%の状態に持っていくことがエンジニアリングだと。なるほど。

同じ目的をもったチームのメンバーが、局所最適の言い争いを発生させることなく全体最適に向かう
ことができるように、一次元上の観点から問題を捉えて、システムの全体像を把握していくことで、
対立から発展的な議論へと視野が拡大することが、システム思考のメリット

同じ会社で同じ方向を見ているはずなのに、求めるものがずれることがある。大きいな目的を共有して合理的に考えていけば最適が得られるはずがずれてしまうことがある。広い視野を共有する。合理的に判断する。

ストーリーテリングは、メンターからメンティーに対しての自己開示です。メンター自身の経験か
ら、迷いや不安がどう乗り越えられてきたのか、どのように考えてきたのかなどを「自分を大きく見
せる」ことなく伝えること

自分の経験をネガティブなものでも開示していく。必要であれば、誰かの役に立つかもしれない経験があれば。

では、「アジャイルな」状態とは、具体的にどのような状態でしょうか。それは以下のような状態の
ことを意味しています。 ・情報の非対称性が小さい ・認知の歪みが少ない ・チームより小さい限定
合理性が働かない ・対人リスクを取れていて心理的安全性が高い ・課題・不安に向き合い不確実性
の削減が効率よくできている ・チーム全体のゴール認識レベルが

アジャイルは状態であると。

「意思決定の遅延」とは、あらかじめ大惨事にならないようにしておけば、意思決定を遅延しても大丈夫だということに基づいています。

ただ意思決定を遅延させるのではなく、考慮をして積極的に遅延を選ぶ意思決定をことで大惨事を防いでいく。

総作業時間を人数で割ったものを「理想工期」と呼ぶと、それに加えて作業同士の依存関係による無 駄を「制約スラック」、そして見積りの不確実性を吸収するための期間を「プロジェクトバッファ」と呼びます。

この制約スラックのはなし全然理解してないからもう一度どうにかしなければ。

リーンキャンバスは、9つの項目に最大200文字程度の端的な文章を埋めていくことで作られます。

これやりたいなという気持ち。

必要なのは、妥協でも、政治でも、卓越した技術力でもありません。組織やビジネス、プロセス、そしてシステムへの「エンジニアリング」なのです。

最後の文章ですがつまるところこういうことなんですね。。。

読後の自分

エンジニアリングは曖昧性が高い状態を限りなく曖昧性が低い状態にしていく作業のことであるっていう認識を強くした。冒頭の方を読んで以降、仕事の風景がちょっと変わった感じがした。マイクロサービスと組織の形については誰かの登壇を聞いた時にすごく同じことを考えていたのでその先を一歩言っている内容があり良かった。

チームや組織のことに関しては自分が足をつけ始めた領域でまだ一部分しか理解できてない。見積もりのバッファの積み方とかが特に理解できてない。

プロジェクトを先導する人は読前/読後で世界の見え方が変わるんじゃないかなと思う。