「実務でつかむ! ティール組織」を読んだ

きっかけ

スクラム以外のチーム・組織運営について考えていたら「ティール組織」という単語にあたった。調べてみたところ求めていたものとは違うものだったけれどせっかくなので知ってみることにした。

ちなみにこの本はティール組織について知ってたCTOに話を聞きに行ったら翌日この本を読みやすいからとかしてくれました。優しさ。

本の概要

ティール組織というとフレデリック・ラルーの本が基本の書として読まれているようです。そちらの方は原典っぽい感じで結構な厚さの原則みたいなところについて触れられているようです(そちらはまだ読んでないのでよくわからない)。

今回読んだ本書は、ティール組織というものを実務という面から説明した本になっています。実務というフィルターを通すことで、概念的だったものが具体性を持って感じられる。

感想

本の概要

全体的にティール組織とはという問いに対して「定義」「段階」「主要な3要素」という軸で繰り返し書かれている。実務というフィルターを通すことで理解しやすくなっている。把握にはとても役に立ったが、本当に概要という感じで理解したので、その思想の裏側を知りたい場合はフレデリック著の本を読むべきだろうなという感想だった。

ティール組織

肝心のティール組織については、

  • 組織は段階を経る
  • 段階はバツっと切り替わるのではなく緩やかに推移していく

と書かれていて、読みながら自分が過去所属した組織がどの段階だろうかと想像して読み進めるのが面白かった。それぞれの段階が良い悪いではなく段階と特徴があるというのが趣旨と読んだ。ティール組織という生態系が生まれ始め、新しい組織の形として注目されているようだ。

ティール組織に移行する上で大事なポイントが

  • 進化する目的
  • 自主経営が可能となる仕組みや工夫を有している
  • 個人としての全体性を発揮できる

というポイントが上げられ、具体的な例やティール組織の例を通して説明されていく。このあたりはふむふむそうなのかーという感じ。これが下地としてあってそういう組織でうまく回る感じに作られていくよーと理解した(プレティール含め)

自社組織は?

今いる会社はオレンジ。グリーンをグラデーションしている感じに近い段階でありながらところどころティールの特徴を内包しているような気がしながら読んでいた。ところどころ社長が意識的に浸透させようとしている文化に近いものをたくさん感じて、なんとなくセンスを改めて感じたりしていた。

しかしながら大きなポイントでホラクラシー的な組織ではまったくないためそういう意味ではティールではなったくない。そしてそれは悪いことでも良いことでもなくそうではないというただそれだけと思う。

自分は?

完全なティールは既成概念にとらわれて自分には全く想像ができなかった。全員が自立した自我と組織が持つ目標への理解と実行を求められるためそういう環境をいかにして段階的に作っていけるかが大事そう。

これはなんとなくティール組織を作っていくのではなく、良くするためにたどり着く一つの形がティールであるということではないかと思う。

例の企業として紹介されているザッポスは強くティールであると感じたが、その他の国内の企業は部分ティールであったり、ティール要素を無理やり見つけてはめ込んでるような気がしないでもないと思ったので、事案としてはもう少し完全なホラクラシィでかつリードリンクが機能している事例が見たかった気がする。また、ホラクラシィアンチパターンみたいな失敗事例パターン週のほうがむしろ参考になりそうだなと思ったりした。

ティールと少し外れるが、役職ではなく役割と捉えて動いていくという肩書の変化は今時分のトレンドになっているものだ。

さいごに

組織の形の一つとしてティールは面白いし、今日本のベンチャー界隈でも新しい組織の形が出てきている。それは多様性を認めていく過程だったり、自由な働き方ができる環境になりつつあることの一つの現象のように思う。おそらく世の中には名前のついてない新しい組織の形が生まれていると思うし、それと同様にティール型組織も自ずと生まれてくるのではないかと思ったり思わなかったりした。

一つの解としてティール組織という引き出しを持っていたい(どちらかと言うとホラクラシィを)。