2020/02/11

envy。

大学生の時に少し通ったバンドだった。当時日本のパンクとかハードコアなインディーズを聞いていた自分にとって、日本のバンドだけどmogwaiのレーベルにいたりしてなんか凄そうという漠然とした印象だけがあって無骨で孤高な存在感があった。世代も少し上だった。

当時から10年以上の月日が過ぎて、会社がきっかけで生で見る機会をいただけた( ありがとうございます ) おそらく自分一人では見にいけなかったような気がする。行くことが決まってからは昔のアルバムを聴きあさって予習をしてた。1週間前に新しいアルバムが発売されて、ライブまで業務時間中のBGMと通勤の往復はほとんどenvyだった。

今までライブを見たこともないしちゃんと情報を追ってもないので勝手な想像だけどenvyはストイックだと思う。envyの静寂には揺らぎがない。寒い地域の雪みたいにただそこに空間が存在していて淡々と雪が降り積もっていくみたいに、静寂のためのギターの音が積まれていっている感じがする。envyの衝動は内省だ。世界と自分、その間の摩擦がエネルギーで自身にぶつけたそのエネルギーから絞り出した言葉と音という感じがする。

(自分は歌詞を読まないので本当に感覚です)

当日。

予定の時間を10分ほど過ぎた頃、メンバーが壇上に現れた。そして演奏が始まってすぐにイメージ通りの静寂と衝動が音の壁と共に目の前にあった。一緒に見た人たちと話をしていたけれどまさに音を浴びるという感覚だった。「イメージ通りの良さ」という印象だったのは二曲目までで 三曲目(?)のa faint new worldでグルーブが身体に突き刺さってしまって一気に引き摺り込まれてしまった。これだーこれを求めてたーという感じだった。

とにかく壇上向かって左のギターの人がカッコよ過ぎた。激しい部分のグルーブは多くの部分彼から発せられていたように感じた。あとで知ったんだけど9mmの滝くんだった。それを知ってなんかいろいろとに腑に落ちた。新しいアルバムを聴いていて空間系エフェクターで変な使い方してるところがあってどっかで聴いたことあるなーと思ってたこととか、ギターの振り方とか既視感あるな、あっそうかそうか!みたいな。

そして、静寂のためのクリーン・空間系の時のギターの音のこだわりが尋常じゃないと思う。バイオリン奏法あり、連音で音の頭潰してギター同士でコーラス作ったり。神聖な空間の錬成に余念がなかった。

他にも発見があった。ギター ドラム ベースで完全に音を合わせるフレーズをしつこくしつこくフレーズで重ねるとフレーズは重ねれば重ねるほどグルーブしていく感じとか発見だったし、その中でもぐつぐつ煮えたぎるみたいに沸点を上げていく演出も気持ち良かった。

最後のFarewell to word(一番聴きたかった曲だった!)まであっという間だった。満足だ!良過ぎた!ライブを見ながら色々な気持ちが通り過ぎた。

envyはシャーマンだ。envyはストイックだ。envyはグルーブだ。envyは曲順ちょっとだけ間違えちゃう(人間という感じがする)。envyはここに特別なものをぶつけてきてる。envyは最高だ。

envyは最高だった。

ライブハウス自体が久々でリキッドルームはすごく壇上との距離も近くてめちゃ良い箱だった。機会をいただけて本当にありがたかったです。ありがとうございました。

あとは余談だけれども、自分が最もライブに行った最愛のバンド the brownのライブがまた見たいと思った。でも彼らはもう解散してしまった。それでもまた見たい、あぁ見たい。なぜかそんな気持ちがめちゃくちゃ強くなった。the brownは自分のバンドの理想系だった。

envyのようにまた力強い姿を見れることを希望に生きていこう。復活という言葉が正しいかわからないけれど、envyの演奏はは力強く鳴っていたと思う。